レシート と 領収書

新規のお客様のの中に、レシートがあるのに、わざわざお店に領収書を出しなおしてもらっていたり、レシートと領収書の両方をもらっていらっしゃることがあります。

また、これらの証憑類(原始帳簿、売上や経費がわかる全部の書類)を、税務署に提出するのではないかと考えている方もいらっしゃいます。

実際は、どうでしょうか。

レシートで、OKです!!

レシート類は、税務署には提出しません。

「レシートが出る時は、領収書に書き換えないで、レシートをもらってください。」とお伝えしています。なぜなら、領収書では、お買い物の中身が何なのかが、誰にもわからなくなってしまうからです。領収書は、「お品代」とか、「ご飲食代」しか書いてないのが普通です。これでは中身が何かわかりません。

良かれと思って、レシートを領収書に書き換えてもらって保管していると、調査のときに、調査官の印象が悪くなることがあります。

中身がわからないように、

お店の人に、領収書に書き換えてもらっていると思われるからです。

たとえば、無〇良品でお買い物して、レシートではなく、領収書をもらってしまうと、文房具なのか、衣料品なのか、食品なのかわかりません。2種類以上のものを買った場合は、本人も忘れてしまっていて、あとで思い出せないでしょうし、食品は消費税が8%、他は10%なので、ちゃんとした内訳がわからないと、消費税の課税事業者の方は、もはや経費に計上することができません。

また、ホテルの宿泊の場合は、宿泊者の人数、「宿泊代」と「食事」と「買い物」の内訳がわかるもの。飛行機代の場合は、最低でも行先と搭乗者の人数がわかるものが欲しいです。

税務調査のとき、調査官は当然、「家族旅行ではないか、私用の旅行ではないか」見ています。年末年始や夏休み期間に、ウキウキするような場所に仕事で行くこともあるでしょう。これは仕事ということを証明するためにも明細が必要です。

お取引先の冠婚葬祭のためのお祝い、お香典は、結婚式の招待状、会葬御礼のお葉書、現金書留で送った場合の書留の控えなどがあればベストですが、ない場合はご自身のメモ書きでもOKです。(当然のことながら、お身内の冠婚葬祭は、家事費なので、経費にはなりません。)

ア〇ゾンなどのインターネットで買い物をしたときも、その場で明細がわかる領収書をプリントアウトしてください。宅急便屋さんからもらう代引きの領収書だけでは、中身がわからないので困ります。

とにかく、「いつ、誰と(誰に)、どこで、どのような目的でそのお金を使う必要があったのか。」それをレシート、領収書、どのような形式でも良いので、きちんと書類に残しておくことをお願いしています。

普通の会社に勤めている人なら、当然会社に提出する書類ですが、個人事業主さんや、同族会社の場合は、その辺が甘くなりがちです。あとでまとめて・・・と思っていると忘れてしまいますし、確定申告のときに全部まとめて整理するのは無理がありますから、買い物のつど、又は、お財布から領収書等を出すとき、出張から戻ってくるとき、証憑類を「領収書箱」に移動するとき、ファイリングするとき、記帳代行を頼んでいる場合は、その提出前に、

領収書に直接でOK!!

なので、メモすることを習慣にしてください。

マネーフォワードなどのクラウドソフトに読み込ませるときは、メモ書きしてから読み込ませるのがベストです。内訳がちゃんと書いてあるレシートなら、メモ書きは不要です。

それから、税務署には、申告書だけを提出します。領収書や、売上伝票などの証憑類は提出しません。

以前は、個人の確定申告で医療費控除を受ける場合は、医療費の領収書を申告書に添付して提出していましたが、今はそれも提出せずに各自保管になりました。

医療費控除の領収書を紙袋に入れて、封をして、確定申告書にホッチキスでとめて提出していたときは、提出書類がぶ厚かったです。ご高齢の資産家の方の申告書は、厚さ2センチくらいはあったかな。これでは、税務署も保管場所がいくらあっても足りませんね。

そして、レシートと領収書を両方出すお店がありますが、これはちょっと変ですね。本来はどちらかひとつが原則です。理由はお客さんが経費の二重計上する可能性があるから。でも、レジソフトがそういう作りになっているようです。領収書を欲しがるお客さんに対応する時間を節約するために、レシートの続きで領収書も発行できるようにされているのですね・・・。

キャッシュレスがすすめば、クレジットカードの情報を、そのまま吸い上げるからレシートは関係ないとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、クレジットカード決済の明細では、支払先のお店や会社名しか出ませんので、やっぱりレシートは必要です。クレジットカード決済の明細に、購入したものの明細まで出るようになったら全部解決なのですが、まだ先かな。